「蓋がすぐ開く大きな箱を抱え」

2025/05/07

死別のつらさは、どう変化していくのか?

尋ねられたとき、答えるのが、

「自分で持てるようになっていく」

「持てるように変化していく」

ということ。

 

昨日、やっぱり!

と思う表現をされた方がおられた。

「大きな箱を持っているようなもの」

「この箱の蓋、すぐに開いてしまう」

 

これは、まだまだつらい様子が

とても上手く表現されている。

 

聞きながら思った。

月日と共に、この方の箱は

きっと小さくなっていくだろう。

 

それは悲しみの量が減るのではなく、

今のように、箱の中で大暴れしなくなるから

そんなに大きな箱でなくても、

収まるようになっていく。

つまり、持ちやすいサイズに変化していく。

 

不意に、勝手に、蓋が開いて

涙がブヮーと吹きだしたり

感情がワーッと溢れたりもしなくなり

自分で開け閉めもできるようになる。

 

大きな箱を抱えているうちは

重いし、

蓋がガタガタするし、

箱もグラグラしているけれど

きっと、必ず、

持ちやすく変化していき

自分の腕の中に、

ずっと持っていられるようになっていくこと

今は信じられないようなことかもしれないけれど

必ずなっていくよ。

と思いながら聴いた。