分岐点で進まなかったほうの道とは

2025/05/10

逆子を、正常な位置にもどす処置は、

お腹の上から手で回すと聞いていたが

うまく戻らず、2度行ったあと、

帝王切開で出産するも、重い障害が残った

お子さんの親御さんが、医師を告訴した。

 

何とも残念なこと・・ 両者にとって。

 

あゆみも逆子になって、

私は、教えられた逆子体操を

ふーふー言いながら、ひたすらした。

 

体操の効果で、元に戻って

自然分娩になって

「運が良くて、よかった」と

ふと思ってしまう。

今ごろ。

 

生まれたときは、運が良かった。

でも、運なんて、ずっといいはずもなく

悪いことが重なって

あゆみは亡くなっている。

 

一人で寝かせている間だったし、

発症したのが夜間だったし、

受け入れ先が見つからない夜だったし、

急性脳症に気づけない医師だったし、

当直が1人だったし、、、

 

さらに「後悔」を探し出すとすれば

もし、あのとき、逆子のままで

重い障害をもって生まれていたなら

私も、多くの当事者の方々のように

常に目を離さないように傍にいて、

あの子を守っていたに違いない。

 

そうであれば

あゆみは、今も、

生きていたのかもしれない・・・

 

人生には分岐点が何度もある。

でも、必ず、一方にしか進めない。

進まなかったほうの道は

どうなっていたのか、

永久にわからない。

 

生きてみなければ、

わからないことがある。

生きてきても、

わからないことは、ある。