子どもがつらいことが何よりつらい

2024/09/08

昨日行った講演会で

胸が一杯になったお母さんの講演は

思えば、信じられないようなことばかりだった。

 

中学生のお子さんが自死したことを

不慮の事故ということにしてはどうか?

という学校からの提案に、従ったものの

なぜ自ら命を絶つようなことになったのか

当然、理由が知りたくなる。

 

のちに学校や教育委員会に調査を求めるが

このとき「こわい」と思った。

 

その理由を、私はこう考えた。

事故としていたのに、自死だと公表すると

世間から何を言われるか、

世間の目がこわい

ということではないか、と。

 

ぜんぜん違った。

真実を知ること、

つまり、死因を明らかにすることは

辛い目にあっていたかもしれないことを

知ることになるから、だった。

 

ああ、親ってそうなんだ。

世間が、どうよりも

わが子が、辛い思いをしたことのほうが

ずっと辛いし、

そのことに気づけなかったことのほうが

ずっとずっと辛い。

 

調査委員会の日程は、遺族には知らされない。

会議は公開する規定があるにもかかわらず

なぜ遺族には知らせないか?

「襲われるかもしれない」

と言っている委員がいたという。

 

そんな・・・ 襲わないし。

 

遺族は、ひどい先入観を持たれることを

病死の遺族である私も感じたことがある。

遺族と話し合ってほしいことを

ある病院の研修で話したとき

手を挙げて

「あなたが言うようにして

刺されたらどうしてくれますか」

と言った医師がいた。

20年前のこと。

 

普段、当会が行っているグリーフケア講座では

多くの医師たちが、真逆のことを言っている。

お子さんを亡くされたあとのご家族が心配。

自分たちに何ができるか考え続けている。

もう一度足を運んでもらうにはどうすれば?

こちらから連絡を取ってはどうか?と。

 

時代が変わったからだろうか。

心ある人たちと出会えるようになったからだろうか。

それもあるとは思うが、

昨日のお母さんがお子さんを亡くされたのは

そんな昔のことではない。

私にしてみれば、少し前、のこと。