ずっといてほしい人
2006/07/24 友人が脳梗塞で倒れ、半身不随で言葉も話せなくなっています。
彼女には進行したガンがあり、一泊旅行をしようと約束した矢先の発症でした。
最初に病室を訪ねたとき、個室に一人でいました。
顔を見るなり、さまざまな後悔が込み上げました。
なのに、このあと足が遠のきそうになるのです。
目はぱっちりと開けているのに、私と分かってくれているのか定かでない。
言葉も、どこまで理解できているのか。
慣れ親しんだ二人なのに、私は何かに打ちのめされたのです。
冷静に考えてみると、ぜんぶ私の身勝手です。
会えて「うれしい」と感じてほしい
何かしてあげたら「ありがとう」と思ってほしい
そんな駆け引きが彼女との間にあったことに初めて気づきます。
そして、何もしてあげることがない、何もできない無力で無能な自分に
勝手に傷ついたようです。
友だち―ただいてほしい存在 だったはず。
期待も目的もなにも持たずに訪ねることにしました。
ところが、私ってどこまでも未熟です。
「果物冷やして来たよ。食べる?」
スプーンですくって口に運びながら
「メロンやで。メロン好きやったやろ?」
そう言った自分に愕然とします。
「メロン好きやった」
なんで私、過去形で言ったんだろう。
ただただ申し訳なくなりました。