「二千円お返しします」
2008/11/05 数ヶ月前、ある小学校の父兄会で講演させていただき、
著書の販売が許可されたので、置かせてもらった。
先生が販売してくれると言ってくださったのに、
注文の数が100冊以上と多かったため、手を煩わせては、と思い
本に振込用紙を挟んでおきますので、お金受け取ってもらわなくて大丈夫です!
と申し出てしまった。
本代は、数日から10日ほどのうちにだーっと振り込まれ、
それを過ぎるとピタリと止まってしまった。まだ半分残っているのに。
1ヶ月過ぎたとき、とても迷った末に、おもむろに校長先生に相談した。
おもむろに、というのは、私の安易な判断で迷惑をかけることとなったからだ。
けれども校長先生は、一言もおとがめなく、すぐに催促のプリントを配布してくれた。
逆に謝られてしまい、とても恐縮した。
プリントのお陰で、またざーっと振り込まれてきた。
けれども17冊分は支払われなかった。
これはもういい。私は満足していた。すると、
あれからどうですか?と校長先生から問合せがあった。
お礼をいい、一応、17冊分だけはなかったけれど、十分ですと返事した。
すると、すぐに、校長先生の名前で17冊分の振込みがあった。
驚き、そして、いただけるわけがないと思った。
辞退したいといったけれど、校長先生は当然の責任とおっしゃる。
当然だろうか… 責任だろうか…
私はそう思わないが、少なくとも、逆の立場だったら私にできることではない。
それだけははっきりしている。
私は十分お礼が言えなかった。
こういう場合のお礼の言葉、うまく組み立てられなかったのだ。
ずっと考えていたら、ぽつりと1人、しばらくあけてまた1人、振り込まれた。
私は校長先生にお礼の手紙を書いた。
その場でお礼が言えなかった不躾もお詫びした。
そして「2千円お返し致します。もしまた届いたら送らせてください」と書いた。
きょう、校長先生から電話がかかった。
私は、1つお願いをした。
保護者や、子ども達が、大きな失敗をしたとき、会ってあげてほしいと。
当然とがめられる、と思って小さくなっているとき
先生とお話しできるといいと思うと言った。
人をほめるのは楽だが、とがめるのは難しい。
とがめずに気づかせることは、もっと難しいと思う。