最後にあゆみと走った道

2011/06/24

結婚後の8年半を暮した上新庄に
思いがけず、昨日行くことになった。
講演を引き受けた小学校の
最寄り駅である上新庄駅に降り立つと
さまざまなことが蘇った。

この地で新婚生活をスタートさせ、
大樹が生まれ、あゆみが生まれ、
あゆみが亡くなり、引っ越した。

そのあと、夫の実家で6年間暮らし
私の実家で暮すようになって6年になるけれど、
今でも、まだ、上新庄での暮しが最も長いということが
妙に、うれしい。

なぜなんだろう。
あゆみと暮したのは1年だけだったけれど
あゆみと暮した家に、長くいた、という
ただそれだけのことにさえ、価値を感じている。

それなら、売らなければよかったのに・・・
あの行動は、自分でもよくわからない。
よくわからないことなのだけれど、
考えて、選んでとった行動は、あとから否定しないことにし、
そのように自分に言い聞かせるだけでも、
いい生き方ができているような気になる。

タクシーが向かったのは、行ったことのない方角だったが、
途中で、えーーっ!と、たじろいだ。
あゆみを乗せた救急車が走った道は、確かこれ。
おそらく、この先に高速の乗り口が。
まさか、こんなかたちで遭遇するなんて。

隣に座っている人は、私の動揺に気付いていないし
私も、あえて言わなかった。
自分から当時を再現するような行動は取らないものなので
これを機に、記憶をなぞったことを
肯定的に捉えることにした。

もう12年も経つんだなあ。
思えば、今月は結婚記念日。
20周年、あっという間だった。