3泊4日で延命
2013/10/15 今月いっぱいの命だと言われても、到底受け入れがたく
嫌がる母を、無理やり大病院に連れて行ったが
当初2週間はかかると言われた治療が
内視鏡の処置室に入っていたのは、1時間足らずで
なんと、3泊4日で帰らせてもらえた!
もちろんそれは、在宅医療との連携によるものであるが。
若い先生なのに、すごいと思った。
私は、日ごろから(講演や講義などで)、医師の説明は、
ゆっくり、そして区切って行ってほしい と頼んできた。
理解がついていかないからだ。
ところが、今回、必ずしもそうではないことに気づいた。
先生は、ちょう早口で、とどまることなく話し続けていた。
ところが、とてもよく理解できた。
何故なんだろう?
図を描き始めた段階で「これはあとで差し上げます」
と言ってくれたことで、スタート時点で、ふっと肩の力が抜けた。
区切らないが、要所要所で、目を見ていた。
私は、「ついていけています」の表示で、うなずいていた。
やさしい声掛け、みたいな飾り的な言葉はなかったのに、
胸が温かくなるような瞬間が2度あった。
1つは、内視鏡の技術に、確かな信頼がうかがえたこと。
もう1つは、「年齢は手術を見合わせることの理由にはなりません」という言葉。
母自身は、この言葉を嬉しく思わないだろう。
「私はもう年なんだから」の一点張りだから。
年相応の生き方、選び取り方でいい と私も思う。
ただ、それをかたくなに言い出したのは、ホームドクターが
「がんです。末期です。1ヶ月です」と言ったからであり
本来、母は、生きることに意欲的な人間だった。
耳に入ってしまった「病名告知」「余命宣告」ほど
威力を振るうものはないと思う。
ともあれ、家に帰ってきて、夜、
「帰って来れた。生き返った感じ」と言った。
ほら、やっぱり。
そうじゃない。
生きていることが、いいでしょう。