ぶっそうな世の中だから
2017/09/14 日が暮れた帰り道
道の端に、おばあさんが腰掛けていた。
ちょうどきょう、授業で、
お年寄りに、子どもに言うように、ものを言わないようにしたい
という話をした。
物忘れが多くなったとしても、子どもになるわけではない。
大人であり、目上の大人、ということを忘れないようにしたい
と話した私。
「どうかされましたか?」と声をかけた。
無言。
「何かお困りじゃないですか?」と尋ねた。
目が合わない。
ああ、おそらく、ふらっと家を出できてしまったのだ。
そして行く先がわからなくなった。
家族もきっと探している。
今ごろ大騒ぎしているかもしれない。
家はそう遠くない気がする。
「お家までお送りしましょか」
やっぱり目が合わない。
耳も遠いらしい。
住所がわかるようなもの、持ってないかな?
わからなければ、警察に電話しよう。
「お家はどこですか」
そう言いながら、近づいたとき
「来んとって! 足が痛いだけ」
あー ビックリした。
はっきりした口調で、きっぱりと言われた。
そうか。
警戒されてたんだ。
目を合わせないように、聞こえないふりしてたんだ。
よくまあ、思い込みのストーリーをどこまでも描くこと。
ぜんぜん違ってた。
優しい口調で近づいて来た人に
ひったくられる、みたいなこと
実際あるのかもしれない…
悲しいけれど。