夫婦の不仲はいとも簡単

2019/12/26

きょうだいを亡くした子どもが、その後の不安を

親に言っていないのには、いくつか理由があると考えられる。

 

まずは、言語能力の問題。

ある程度の年齢に達して、ようやく、不安も言葉で伝えることができる。

もう1つは、子どもなりの気遣い。

「親がこれ以上つらい思いをしないように」と。

 

わが家では、矛盾した現象が起きた。

ダイキの体調がおかしくなった。(おしっこがコントロールできない)

だから小児科に相談に行った。

まずダイキの身体の検査が行われた。

何も異常は出なかった。そのため、医師からの指示は

「ダイキ君の前であゆみちゃんのことは話題にしないようにしましょう」

となった。

ダンナは、「そういうことなのか」と鵜呑みにし

私とも、誰とも、あゆみのことを言わないようになった。

私は、この指導に疑問を感じた。

しかしダンナは、小児科の先生が言っていることだから、と

私の言い分は無視された。

夫婦は、会話も、関わりも、目を合わせることもなくなった。

 

ダイキは、戸惑ったに違いない。

家族の会話が弾むように頑張ったり、

親を笑わせようと頑張ったり、

大変だったと思う。

 

私がグリーフケアの勉強をしようと思ったきっかけとなった。

子どもを亡くすということは、夫婦にとって、一家にとって

とてつもなく大きな体験なので

大人であろうが、年配者であろうが、知識人であろうが

圧倒され、判断や行動を誤ることはあるだろう。

 

その狭間で、

小さい子どもが、小さい頭と、小さな胸で

必死に、何とかしなければ、と格闘すること

思い返しても胸がいたい。