お化け屋敷のお化けになった日

2020/07/03

年齢が近い「きょうだい」の死別について、昨日書いたが

ダイキとあゆみは、年が少し離れている。

そのためわが家では、

あゆみが生まれる以前に、3人家族として成立しており、

突然、あゆみがやってきて、

3人が喜んで迎えた、という感じだった。

 

なので、亡くなったときには

3人が遺されてしまった・・・という感じだった。

両親とダイキは、「遺族」として横並びの感じ。

 

ダイキは、楽しく小学校生活を送っていたが

1度、年上と喧嘩して帰ってきたことがある。

なかなか理由を言わなかったが

「だから妹も死んだんや」みたいなことを言われ

カッとなり、相手をしばいたらしい。

 

私は謝りに行くつもりはなく

相手の親も、別に何も言って来なかった。

(このことは、ずっとあとで胸が痛む)

で、暫くの後、私もそいつを締め上げることになる。

 

私は、いやいや小学校のPTAをしていたが

毎年、PTAが盛大な夏祭りをする。

私には、お化け屋敷のお化けが当たってしまった。

 

よし、こうなったら、もう本気でやったる。と

白い襦袢を着て、長い髪のかつらをかぶり、←ぜんぶ自前

白塗りした顔に、口からも目からも血を流し

暗い教室で、子どもが来たら寄って行き、

きゃー!と逃げられていた。

 

「そいつ」だけ、逃げるどころか

留まって、お化けにちょっかいを出し続ける。

かつらを引っ張ったり、目に指を入れて開けようとしたり

我慢の限界に達した私は、無言のまま

そいつの首根っこ捕まえて、暗闇に引きずっていき、

泣くまで、壁に押し付けてやった。

 

そして耳元で、

おどろおどろしく呟いておいた。

「ダイキいじめたら~ もっと怖い目にあうんやで~~」

(つづく)