感情を掻き立てるメリーさんのひつじ

2022/02/22

どこからともなく聞こえてくるオルゴール。

曲はメリーさんのひつじ

 

けたたましく鳴り響くこのオルゴール曲は

私が入院した病院で、食事を運んでくる台車

が奏でていた。

これを聴くと、いろんなことを思い出す。

 

隣のベッドの人は、食事の時間が近づくと、

面会に来ているお孫さんを連れて帰るよう

娘さんを急かせた。

お孫さんは、赤ちゃんのとき、この病院で

大手術を受けており、その時の記憶を

音楽が呼び覚まさないように、という

子どもへの思いやりと言うが、

命が繋がったことは素晴らしいことだし

頑張った闘病を賛えたらいいだろうし、、

私には、生還した子どもの家族の気持ちは

よくワカラナイなあ、と思った。

 

のど元まで出かかったのは、

思い出したくないのは、家族のほうですか?

 

そんな少々意地の悪いようなこと思い出して

はたと我に返り

いま聞こえてくるメリーさんのひつじは

いったい何を運んで来るのだろ?

ここはスキー場のゲレンデ。

見当もつかない。

 

現れたのは、スノーモービル、と

けん引されている箱のような荷車で

可愛い絵が描いてある。

 

よく見ると、箱の中に、

子どもが乗っていた。ウヨウヨと。

みんな3才くらいだろうか。

椅子があって、座っているのだ。

 

保育園のお散歩なら先生が押しているが

スキー場だからスノーモービル。

十分に見応えあるので、

見世物のように練り歩いているのだろうか?

とも思ったが、

全員、スキーウェアにヘルメット、

ゼッケンも着けていることから

スキー学校のレッスンを受けに行く子どもたちだった。

こんな小さい時からレッスン受けて

しかも、楽しめるように楽しめるように

工夫が凝らされていて、、、

 

あまりに可愛くて、手をふって見送ったけど

涙目になってしまったのは、こういうこと

あゆみには経験させてあげれなかったから。