新幹線の通路でお菓子を拾い集める

2023/04/16

名古屋のつどいも、いいひとときだった。

終わって、名残惜しくて、

ゆっくり歩いて駅に向かっていたら

新幹線に乗り遅れそうになり、

階段を駆け上がってしまったから

エレベーターに乗る人が、どっち寄りか

また確認できなかった!

 

窓際の席を取っていたのだけど、

床に3つも荷物を置いている人と隣り合わせ

通路側と替わって差し上げる。

それから私はうとうとしてしまった。

 

しばらくして、

バサッ、といった音がしたが、

頭はぼけたまんま。

ぼんやり通路の先のほうで、

キャスター付きのトランクが、斜めに立っている。

 

そばの席の人が

床に散らばっているものを

拾おうとしているけれど

それは、なに・・・?

 

うわっ!

さっき、つどいで、

お土産に持ってきてくださった、

お饅頭や、おかきや、せんべいや、チョコレートや。

話に聴き入って、食べなかったから、

持ち帰らせてもらったものたち。

 

紙袋に入れて、

トランクの上に乗せて

足元に置いていたのに・・

どれもない!

 

いっぺんに目が覚めて、

駆け寄り、謝って、

座席の下に転がっていたぶんも、拾い集めた。

せっかく持って来てくださったお菓子。

 

トランクも回収し、

席に戻ってきたら、

さっき、ちょっとだけ親切にした隣の席の人、

申し訳なさそうに見ていた。

 

あ、気にしないで。

席を替わったからじゃなくて、

”こいつ”のせいだから。

 

それにしても、

よく回るコマだ。

新幹線のわずかな振動だけで

音もなく

どこへでも行ってしまう。