人間の言葉をしゃべる悪魔がいる

2023/10/31

交通事故で息子さんを亡くされたお母さんの

講演の記事を見た。

そのなかで

周囲の心無い言葉は、追い打ちをかけた

という話があり、どんな言葉かな?

と思い、見てみると

「子どもが先に死んでよく生きていけますね」

こうした言葉は

事故に限らず、病死の遺族からも話題になるが

少し言い方を変えたら、こうではないだろうか?

「子どもが先に亡くなって辛いなかを

本当によく頑張っていると思う。

私だったら生きていけないかもしれない」

同じじゃん、と思われるかもしれないが

相手は、最大限ねぎらいの意を込めて

生きていけないほど苦しい状況にあって

そこを耐えていることに敬意を示したとき

こういう言い方になるのではないだろうか?

でも、遺族には、そう伝わらず

生きていけないはずのところを、生きている

と言われている、とか

それでも生きている私は、冷たいということ?

と感じられると聞く。

難しいなあ

言葉にしたとき齟齬が生じ

そこを補う言葉は、なかなか見当たらず

言葉で補うほど、齟齬を生み・・・

そう思いながら記事を読み進め

えーーーと絶句した。

別の被害者遺族がかけられた言葉は

私の解釈を根底から覆した。

「『子どもは死んだのにいつまで生きている』

『早く死にやがれ』と

全国からたくさんメッセージが届いた」

とある。

齟齬でもズレでもない。

人の恰好した悪魔、いるんだ・・・