大きな喪失のなかで見つけた「いいこと」

2024/01/16

グリーフケアの授業で

グリーフとは、死別に限らないことを話した。

大きな喪失に伴う反応なので

大怪我でだって、大病にだって、起こりうる。

 

そのとき、一人の受講者さんが

ほんと、そう。と同意してくださった。

ある日、突然、ご主人が病に倒れ、

大きな喪失に伴い、多くのものを失ったと。

 

健康、仕事、経済力、人間関係、自信、、、

それまでの生活

それまでの自分

ありとあらゆるものを。

 

胸がつまり

言葉につまった。

 

無言が続くなか

「でも、いいこともありました」

とおっしゃる。

 

こんな状況で「いいこと」見つけるって

すごい人だなあ、と思っていたら

見つけたのは、お子さん。

 

「パパが毎日家にいて、うれしい」

と言ってくれたそうだ。

 

あー、救われるなあ。

 

そうだよね。

いつも仕事で、朝は早く、帰りが遅かったパパが

学校から帰ってきたら、いるって

毎日が嬉しい日になっていたんだ。

 

亡くなって起きる喪失と

生きて起きる喪失の違いは、大きい。

 

どんなに大きな喪失が起きても

生きてさえいれば

そこから

「いいこと」も生まれるんだなあ。