「情けは人のためならず」はアテにならず

2024/04/03

とても驚き、淋しい思いがした。

斜め向かいの家の、独身男性が

家の中で亡くなっていたらしい。

 

おそらく警察なども来たと思うが

私はぜんぜん知らなかった。

あんまり家にいないから。

 

この男性のこと

ずっと前に日記に書いたことがある。

近所付き合いをしない、寡黙な人で

挨拶しても、まともに返してもらえないので

私もすーっと通り過ぎるようになった。

 

ところが、

その隣に住む一人暮らしのお婆さんが

発作が起きた時、声を上げたのだろうか?

いち早く気づいて、

隣の家に飛び込んで行くところを見た。

 

シャツとパッチ姿。

「おい!大丈夫か!おい!」

と大きな声で呼びかけていた。

このとき初めて、この男性の声を聞いた。

 

お婆さんは救急車で運ばれ、助かった。

この男性のお陰だった。

そのとき私は、勝手に思った。

 

この人は、印象よりも、いい人なんだ。

この人も一人暮らしだけれど

今回のお返しは、どこからか回ってくるだろう。

 

そうはいかなかった・・・

 

お婆さんを助けたのに

誰にも助けてもらえず

誰からも気付かれず。

 

もしかしたら、

そういう生き方を選んでいたのかもしれない。

でも、あのときの慌てようは

危ない人のことは助けるし

自分も、助けて貰いたい

と思っていたような気がする。

 

「情けは人のためならず」

という教えは、

あてにならないじゃないか。