心のカサブタを悪気なく剥がす人とは

2024/07/19

きょうの「虎に翼」は、

老人につかみかかった青年の、処遇について。

 

なかったことにしてやろうと、

周囲が手を回そうとしていたところを

虎子(裁判官)が「処分」に向けたので

なんで?!と、私も思った。

これには虎子なりの理由があり

この理由が、深く感銘を受けるものだった。

 

虎子の言葉

「この仕事をしている以上、

どんなひどいことを言われても

手を出してはだめ。

ひどい相手と同じ次元に落ちて

し返してはだめ。

だから、しかるべき処分を

受けるべきだと思った。

穏便に済ませたりして、

ああいう人たちに借りなんか

作ってほしくないから。

あなたを確実に傷つけて

心にできたかさぶたを、事あるごとに

悪気なく剥がしていくような人たち。

彼らにずっとへいこらしてほしくない。

自分の意思で物事を受け流すのと

受け流さざるを得ないのとは、違うから。

私がいなくなったあとも、

この件にあなたが縛られないように、

したいようにできるように、

怒りたいときに怒ることができるように、

そう思って処分しました。」

 

手を出してしまった、遺族に対しての言葉

一つひとつが

本当に的を射ていると思え

しばらく、ジーンときていた。

 

で、「悪気なく」のところだけ

違うような気がした。

「ああいう人たち」は、

悪気をもってカサブタを剥がしに来るのだと。

 

でも、考えてみたら、

そのとおりかも。

 

悪気があって人を傷つけるような人は

悪気がないときにも

平気で傷つけている人だろう。

人の痛みがわからないから。

だから

確実に、事あるごとに、になるのだ。

 

よかった。

処分を受けて、

自由になれて。