病気のことも最期のことも忘れない
2025/08/03次の日曜日にする医療従事者の方々に向けた
グリーフケア講座の準備をしていて、
会員さん10数名が協力してくれる中
私も自分の医療体験の一部を話す。
今回のテーマは
深刻な告知や病状を受け入れ難かった時の
心に残った医療者の言動について
医療者の専門性に頼るような内容を
発表する人もいるように思うが
私は、素朴に心に触れたことで
どうにか折り合いをつけたのだなあ
と思える内容にした。
それは、
あゆみが脳死になって
できる治療がなくなり
別れが避けられなくなったとき
病室に来た若い看護師さんが
「あゆみちゃんの写真ありますか」
と尋ねてくれた。
見てもらうと
「あゆみちゃん、何も悪い事していないのに」
と言って泣いてくれた。
今まさに私が思ってることだった。
新人だから口から出た言葉と思う。
でも、わかってくれる医療者がいてくれたことが
とても嬉しくて、
堰を切ったように涙が溢れた。
写真は、そのまま枕元に置いておいたら
入ってきた主治医が、手に取り、
じーっと見つめた。
何も言わず、じーっと。
あー、もっと早くに置いておいて
元気な、いつものあゆみの姿
見てもらえば良かったと思った。
親だけでなく、本人も
主治医とちゃんと出会って
それから別れるほうがいい。
きっかけをくれた若い看護師さんが
いてくれて良かった、と思った。
そういうことを発表しようと思う。
病気のことや、最期のほうのことは
思い出さないようにしていた面もあり
抜け落ちていることも多いが
年数を経ると
病気のことも、どんなことも
あゆみのことは忘れたくない!
と思うようになり、再びかき集めた記憶。
人に話すと記憶にしっかり刻まれる。