隣の患者さんの「私なんか」

2019/08/10

患者A「私のことなんか!」
看護師たち「そんなことないです」
A「忘れてたやんか!」
看「忘れてたわけではないんです」
A「忘れてたっ!!」
看「リハビリに行かれてたから」←あるある私もずれこんだ
A「でもリハビリ帰ってきた時このまま待ってて、と言ったじゃない!」←げ、私が入ってた?
看「すぐ空くかと思って」←げげ、私がゆっくりしたから?
A「それから誰も来なかった
!」←わ、このあと忘れたんだ
忘れられた、で正しいみたい。

看「とりあえずご飯にしましょ」
A「いらない。食べません!」
看「ごめんなさいね、食べましょね」
と一人残った看護師が、上手になだめて食べさせるから、すごい。

Aさん不満を言い続ける。
看「そやね、そやね、ドレッシングかけます?」
Aさんは不満。
看「このくらいかけときましょかね」
あんまり噛み合ってないけど、Aさんの語気は収まっていった。

食事が終ったころ、別の看護師がやって来て、「Aさん、シャワー」まで言ったところで、ひやひやだった私は、はぁ、やっと、と思ったが、違った。
看「次の次の次で。」

A「私なんか!」再燃。
何でやねーん、と私も思った。
患者も、看護師も、数が多いから連絡がうまくいかないんだよ。

このとき私は、ナースコールを押しまくる患者の一人が、このAさんだと確信した。
でも少しあと、カーテンの間から見たAさんの姿に、理解できる気がした。

あちこち同時に骨折していて、痛いし、動けないし、悲しいし。
80代でも、老体でも、関係なく同じように耐えて頑張らないといけない。

この病院にいる間だけ甘えさせてもらっていいんじゃないかな、ここの看護師さん、かなり優しいから、と思った。