年老いて一人になってから語る亡き子のこと

2022/09/26

多くの遺族会は、配偶者間の死別の参加者が多い。

そして高齢のかたが多い。

話題も、子どもの遺族会では耳にしないことが多い。

 

たとえば

妻を亡くした高齢の夫は、心臓病で亡くなる確率が高くなる、

という研究データがあり

(私の父は、まさにそうだったが)

当事者の方たちは、この説をご存じで

「心臓で死ぬと聞くのに、死なない・・・」とつぶやき

自分は冷たいということか?

と言外に匂わせる。

子どもの遺族の口からは、そういう話は出ない。

 

子どもの遺族も、

亡くなった子と一緒に乗っていた車は

なかなか手放せず、なかなか買い換えられないと聞くが

奥さんを亡くした高齢の旦那さんも

車に対する思いは同じで

奥さんとの思い出の車を手放したくない、だけでなく

思い出の車から降りたくない。

 

ということは

よく問題になっている、免許の返納が、できない

ということでもあり

大丈夫かなあ、ちょっと別の意味で心配。

 

お子さんを亡くされた話も、よく聞く。

私は、普段からお子さんを亡くされた話の傍にいるが

高齢のご遺族の場合、改めて語られる話だ。

 

「妻はつらかったと思う」

と遺されたご主人から聴くとき

当時も、奥さんと語らったのかな?

その頃は、黙ってたのかな?

 

黙っていたような気がする。

でも、ずっと思ってくれてたことを

奥さんは知っていたかな?

知っていたような気もするし

知らなかった気もする。

 

だって、いま聞く話では

「夫は、もう時間が進んでいる」と

淋しそうに言っている奥さん

少なくないし。