病気や医学の知識がついていくことのつらさ

2022/12/20

看護師さんの、グリーフケアの授業を担当するたび、

気持ちが救われたり、希望が持てたり

とても励まされる。

 

なかでも、すごいなあと感銘を受けた方は、

ご主人ががんになり、闘病されていたときは、

専業主婦で、幼い子どもの母親だった。

ご主人が亡くなると、

泣いているわけにいかず、始めたのは

受験勉強!

次の年に看護学校に合格した。

 

もちろん緩和ケアに関心があり、造詣が深い。

「経験が役に立ったわけですね」みたいなこと、

他人が口にするのは不謹慎というものだ。

でも、ご本人の口から出た言葉だから、

深く頷けた。

 

このかたの話を聞き、

私は、思い知った気がした。

医療従事者が、大切な人を亡くすつらさ苦しさ。

 

彼女は、勉強を始めて知識がつくにつれ

苦しくなっていったという。

病気のこと、医学的なことが、わかっていくから。

 

素人の家族が抱くことのない

自責や後悔が、あとから持ち上がっていく。

だったら、現役の医療従事者なら

さなかで、強い無力感や葛藤があるわけだ・・・

 

私が知るお母さんで

お子さんを亡くされてから看護師になった方がいる。

あの人も、苦しんだのだろうなあ。

今ではベテラン看護師さんになっているから

もう揺るぎはないだろう。

すごいお母さんだと思う。