初めての仏壇花

2013/04/20

春休み中、ダイキが母の散歩係をしてくれていたが
新学期が始まり、私が交替することに。

私:きょうは、どこへ行こうかな?
母:お花屋さん。

花屋に着くと、母は店主に向かって言う。
「お仏壇のお花を2つください」

ほとんどのことを母は一人でできなくなったが
一階のお仏壇(私のご先祖)を、毎日お世話くれていることは
ほんとうに助かる。
朝一番に、お湯を沸かし、丁寧に緑茶を入れ、お花の水を替える。

店内で、やっぱりヘンなことをした。
母は生け花の師範でもあるため、生花に目がない。
店内には、注文を受けて完成させたばかりとおぼしき式典用の大きな生け花。
何を思ったのか、母は、それを抜き取ろうとした。

慌てて手を押さえた。
生けてあった花を、買おうとしたのか
生け方が気になり、直そうとしたのか、わからない。
店主は不機嫌そうだし
私、恥ずかしいし、
きつく「だめ!」と言ってしまった。
母は小声で「ごめんなさい」と言った・・・

ものすごく、とぼとぼと、ふたり家に帰り着くと
「はい」とお花を1つくれる。
えっ・・・ 
わが家は、これまで、あゆみにお仏壇用の花をあげたことがない。
そもそも、お仏壇ではないし・・

母は、これまで、普通のかわいい花をあゆみにくれていた。
私がぼう然としていると、
はっ、と我に返ったように、あゆみに向かって

  ごめんね!あゆみちゃん 
  あゆみちゃんにあげるお花じゃなかったね
  こんど可愛いお花を持って来るから

あゆみが、どういう花を好むのか、それは定かでない。
仏壇用の花を、ものすごく拒否したのは、当初の私。
そのことを、母は不調(認知症)なのに、思い出してくれた。

よっぽど私は仏壇用のお花を嫌がってたんだろうな・・
あゆみの死を受け容れられるまでに、ものすごく時間かかったから。