命拾いした

2013/05/10

夜中になって、
「あっ、明日はゴミ収集!」と思い出した。
夜の間に、玄関の内側にまとめておかなければ、
朝ダンナに持って行ってもらえない。

1階の両親宅のゴミも集めるために
そーっとキッチンに入っていくと
真っ暗な中に、立っている。
お化けと思って、腰を抜かしそうになった。

母だ。
最近の母は、いい時と、とんでもない時が、入り混ざっているので
ああ、とうとう、徘徊・・・?

私「夜中やで、寝ようね」と言っても
母「パパが呼んでるみたい」と言う。

父の寝室は、キッチンの奥にある。
母の寝室まで声が聞こえるわけがないし
熟睡してるに決まっている。

私「寝ようね」
母「パパが呼んでるから」
(もー!寝るんだってば!!)と言いそうになるが
あかん、あかん、怒ったらあかんと、本に書いてあった。
と思い直し、
「そしたら、見に行ってみよか」
と母に付き合った。

父の部屋のドアのところまで来ると
ビーーーー
何の音??

ドアを開けると
布団の中で、ビーーーー
慌てて、布団をめくると
ドライヤーつけっぱなしで、父熟睡。

腰を痛めて長い入院から帰ってきたばかりの父、
夜、腰の痛みが増し、うずいて仕方ないので
ドライヤーで温めてみたらしい。
これが、思いの外ここちよく、
そのまま眠り込んでしまった というのだ。

父「ごめん。ごめんね、二度としないから」
母「パパなんで謝ってるのお?」

父は私にドライヤーを差し出すのだが、
私は足が震えた。
気がつかなかったら、間違いなく出火。
家族も、隣の家の人も、どうなっていたか分らない。

父は、実際は母を呼んではいなかった。
熟睡していたのだから。

母の認知症は、本人にとっても、家族にとっても、辛い病気。
けれど、母が認知症でなければ・・
私が「叱ったらいけない」という助言に従っていなかったら・・
そしてゴミを集めることを忘れ、夜中に母と出くわしていなかったら・・

偶然の繋がりのような出来事が
ただの偶然ではなく
私たち家族を守ってくれ、近所の方にも迷惑をかけず
何ごともなく「救い出してもらった」のかもしれない。
そんな風に、瞬時に思った。

今、わが家は、何の余裕もなく、大変なのだけれど
「見守っているからね」
と知らせてもらったような気がした。

何ごともなかった のではなく
すごいことが「あった」のだ、という気がした。