会ったことのない他人を分析できる人がいる

2023/06/15

このところネット上を賑わせているのは

有名女優のHRさん(42)が不倫を認めたこと。

私が気になったのは、そのことではなく、

「心理士の視点から、出来事の背景や心理状態を分析する」

という記事。

 

HRさんは、手書きのコメントを公表したそうで

心理士は、そのコメントを分析した。

最初に書かれていていいはずの

「夫」という言葉がない

とかなんとか。

 

私、思ったのは、

公表する文書に、夫に、夫が、と

書かなくても不思議はないけど。

実際のコメントには

「家族、3人の子どもたちには、膝を突き合わせ

『ごめんなさい』をしました」

と書いてある。

 

家族の中に、夫も含まれているかもしれない。

含まれなかったとしても

会ったこともない夫婦のこと、分析できる?

知っている夫婦のことだって

正確な分析などできないでしょう。

 

何故私がこのように反応してしまうか、というと

先日、一人のお母さんから

「この会を続けていてくれて良かった」

と言われた。そのとき私は言った。

「続けられないだろうと言われていたんですけどね」

 

分析したのは、著名な精神科医。

(直接ではなく、取材に行った記者に言った)

心理治療や精神分析をするような人々の中には

会ったこともない他人のことが、わかる人がいる。

 

続けられないとされた理由は

つらい人の話を聴き続けると、

自分自身のつらさから抜け出られなくなるから

ということらしい。

 

それを聞いた当時は、

続けるのは相当難しいのだろうか・・・と

揺さぶりをかけられたりした。(迷惑したぞ)

 

結果、25年間、

やめたいと思ったことは、一度もない。

 

つらい親の気持ちを聴かせていただき、

私は、尊い話を聴き続けてきたと思っている。

亡くなったお子さんは、どの子もみんな

いい子で、魅力的で、素晴らしい。

昔も、今も、同じ気持ちで聴き入っている。

 

同じ体験をしていたとしても、

他人のことは、その人から教えてもらわなければ

よく分からないことばかりだ。

 

そして、人の話に引きずられて

自分の悲しみから抜け出られなくなるのだろうか?

 

この点については、むしろ

自分の悲しみから、抜け出てしまうことの

焦り、淋しさ、おそれ

のようなものさえもっている。

これらは、子どもを亡くした親、誰もが

抱く境地ではないだろうか。

 

亡くなってからも、我が子を

抱きしめていくのが親だから。