感動的な言葉の陰で

2011/05/09

最近、感動した言葉
「楽しいときは 笑ってください
私たちは 笑っている人を見て妬むほど 落ちぶれてはいません」
――東日本大震災の被災者である、東北人の言葉。

一緒に番組を見ていた夫は
目を潤ませていた。
私の目も潤んだのだけれど、
私の感情の出所は、少し違ったように思う。

「私、笑っている家族を見て、妬んでたんだよねー
落ちぶれてたってことだね」
そう言ったら
夫は黙っていた。

二人してどん底だったときも
夫は、一度も人のしあわせを妬むようなことがなかった。
私は、そんなことはなく
4人家族、とりわけ女の子連れの家庭を直視できず
いつも目を伏せていた。
おかしな言葉を口にしないことだけで、精一杯だった。

夫をこんなふうに育てたのは、あの姑なのだと思うと
大した人だ。
そんな私も、ふつうに、健全に(?)、立ち戻れたように思う。
けれども、あの当時できた溝は未だ・・・
私と姑の間に残された時間は、あとわずかなのだから
もっと折り合っていかないと・・・。