目を反らさないで

2006/07/21

きょうニュースで、明日時効を迎える歩道橋事故の被害者であるご遺族の暮らしを追う特集が放送されていました。
二人のお子さんを二人ともなくされたご夫婦です。
5年。どんな暮らしのなかにあっただろうと思うと、子どもをうしなうという同じ経験をした者であっても想像を絶する思いがしました。
ご本人の胸のうちは到底分かりえないけれど、目を反らさないことから、事故というものの痛ましさを知り、子どもというもののかけがえのなさを深めないと という思いで見入っていたとき、コマーシャルを挟んで、唐突に小さな女の子を囲んで食事をする場面になりました。
その後産まれた子どもの紹介、さらにこのあと男の子を出産予定の紹介。
???脈絡が感じられないのです。
この流れのとりかたを、ご本人たちが望んだのであればいいのですが、そうではないとしたら、あまりに中途半端な当事者の取り上げ方に、私はポカン顔に。
どういう意図をもってでしょう。
時効を迎えてしまう。納得はしていない。子どもの命に代わるものはない。といったことを「亡くなった子」の親として伝え、事件を風化させないための出演だったのではないか?
 こういう報道のありかたでは、死を直視できない人々の層と、死を軽視する人々の層をさらに助長してしまいますよ。
「あーヨカッタ あのご夫婦ちゃんとまた幸せになれたんだネ」
と視聴者の多くが胸をなでおろしてしまったのではないでしょうか・・・。