なぜ看取りの時間が大事なのか
2004/07/30グリーフケアの取材で、記者の井上さちこさんから最初に尋ねられたことは、次の言葉でした。 『親にとってなぜ最後の看取りの時間が大事なのか?どう思いますか?』
私は医療におけるグリーフケアを願い、こうお返事しました。
子育ては、たくさんの時間を与えられてしているから
ヒステリックに怒ったり、八つ当たりしたり、失敗したり、さぼったり、、、
そういうこと子どもに謝りもせず
なんとか穴埋めさせてもらいながらやってるんですよね・・
まさか途中で「ここまで」となるなど、想像もしてないから。
ところが、
子どもの死というかたちで突然断ち切られると、
これは謝りようがない、後悔しても済まないことです。
「あなただけが短い命で そういう命と運命に産んでしまって」
と、わびると同時に、
お礼を言わないと。
「私のところに産まれ来てくれて 私に幸せな時間を与えてくれて」。
ごめんね と ありがとう を
ていねいに、しっかりと言えなければ、お別れにならないのです。
できるだけ好ましい時空間でお別れができなければ、
親にその先のいい人生はないと思えます。
逆に、そのあたりがまもられたり、恵まれたりしたら、
ものすごく嘆きの大きい遺族でも
時間をかけて「いい人生」につなげていく力をもつと思います。
人が生きる力というのは、
もともと備わっている力だけでないのを感じています。
さかしたひろこ
左は森島先生 右がNHK井上幸子さん 3人共通の知人です 岡山大学で。