答えは振り返ったところに

2004/12/10

 分かち合いのつどいをするたび、ご遺族たちの言葉に感銘を受けます。
むずかしい言葉ではなく、いま思うところを話してくれるだけなのだけど、
いくらでも”意味のある言葉”を聞かせてくれるのです。

≪子どもが亡くなって、どう耐えてどう生きていけばいいのか 
それに対する答えはないのだと思う。
答えと思えるものは振り返ったところにしか見えてこないから。
だから振り返れるだけの時間を自分が生きて過ごすしかなく、
先に言ったり言われたりする言葉のなかに答えはないと思う。≫

 医療に携わる方々から
「ご遺族にはどういう言葉をかけたらいいのでしょう?」とよく尋ねていただけるのですが、
回答しづらい質問だと思っていました。
最近は、代わりに提案をするようになりました。
答えがはっきりしないようなことを考える機会をもつといいと思う と。

 遺族に限らず、過酷な闘病をしているような”当事者”は、
答えがはっきりしないことや、答えが出ないようなことと、真剣にずっと向き合っているからです。
だから当事者はものすごく深みをもっています。
熟成されている「素人」なんです。
ぜひぜひ専門職者の皆さんも、
専門以外のところでも熟してください。