よくない時期の出会いを大事にしたいと、改めて思う。

2009/10/06

前回登場の恩師は、ものすごい愛妻家。
先日も奥さんの話が出たので、でた〜と思った。
先生は、どんなにラッキーな人のことも、ぜんぜん羨ましくないと仰る。
なぜなら、誰とも替わりたくないからだそうだ。
そうりゃそうだろう。
入れ替わったら、奥さんと離れ離れになってしまう。

一度尋ねてみたいと思ってたんですけど、
と前置きして、先生に尋ねてみた。

先生は、奥さんと出会ってから、幸せでたまらないことも
それまで苦労つづきだったことも、知っていますが
最愛の人と出会えた後の人生は、
そんなふうに根こそぎ替われるものなんでしょうか?
何かの折に昔の記憶が持ち上がり、
不安になるようなこと、ないですか?

先生は、うーん、と考えて、
ないね、とおっしゃった。
嫁さんは、それまでのすべを変えてくれるほどの人だった、と。
私はアゼンとし、
口が開いたまま聞いていた。

恩師は、一度人生の底を見たのだと思う。
でも、そのどん底を通ってからでなければ、
結婚も、いまも、なかったことの根拠を話された。
たどる道が違ったら、出会い方が違ってくるからだ。

私は、と考えてみると、
この10年間に「この人と出会えてよかった」と
心から思える人がいる。
悲しみを引きずっている私
寂しさや心細さを抱えている私、だったのだけれど
元気でいい状態だったら、出会えていない相手ばかりだったのだと思うと
とても有難く、かけがえのなさが、より濃く思えた。

いいことがあって、出会う人も、素敵なのだけれど、
私には、うまくいかないときに出会える人のほうが、
なんだか、授かった相手のように思える。
もしまた、うまくいかないことがあり、不運が続いたとしても
「出会い」の機会まで断たれることは、絶対にない
と確信している。