これは急性期病院の一般病棟でのやりとり
2010/08/04 ようやく姑は、もう片方の目の手術を受ける日を迎えた。
ずいぶん年をとったが、頭の中は絶好調。
ただ、耳が非常に遠い。
必要に応じ、ナースコールを押すが、
スピーカーから呼びかけられていることに、まったく気付かず
知らんぷりだから
看護師さんから、ちょっとおかしいと思われているかもしれない。
でも、この病院の看護師さんは、みんなとっても優しい。
6人部屋の6人ともが、80歳台とおぼしき方ばかり。
看護師さんは、トイレや着替えのお世話もしながら
フル稼働していて、呼び止めるのも気が引ける。
お向かいのベッドの方の息子さんは
ちょっと顔を出すと、すぐ帰ってしまわれた・・・
そのあと、お向かいの閉まったままのカーテンの中から
すみませーん、すみませーん
と聞こえる。
私は、看護師さんを先に呼ぶべきか、用事を先に聞くほうがいいか
迷いながら、カーテンの隙間からのぞいたところ
ばっちり目が合い
コレなんですか?と質問された。
コレとは、絆創膏だった。
それは絆創膏です。で済む話なのか?
その絆創膏を何のために使うかを、答える必要があるのか?
当然、後者と思い、その答えは私に分からないので
看護師さんを呼んだ。
やってきた看護師さんが、カーテンの中で、
あああ〜 だめですよ 抜いちゃったらー
??? 抜いたって、何を?
「これ何ですか?」 ←絆創膏でしょう
「これは点滴ですよ」 ←えっ!抜いたって、点滴!
「私、点滴してませんよ」 ←いや、してたんでしょう
「点滴してたんですよ。抜いちゃったんですよ」
「私は点滴してません」 ←だから、してたんだってば
やりとりを聞きながら
私は、ぼんやり、一点を見つめていた。
ほどなく看護師さんは姿を消し
しばらくすると、また向かいのベッドから
すみませーん すみませーん
「これ、何ですか?」
「それ、絆創膏です」