もういないのに怖い思い

2012/10/04

いつも行く、大きなスーパーマーケットに行った。
牛乳を買おうと売り場に行くと、
ちょうど店員さんが、棚に並べているところだった。
作業が終るのを、後ろで待っていたら、次の瞬間、
店員さんは、台車ごと後ずさりしてきて、ぶつかりそうになった。

私は、ヒヤッとした。
ぶつかりそうになったからではない。
あのときの光景が、そのまま蘇ったからだ。

あれは、あゆみがまだ、ほんの小さかった頃のこと。
このスーパーと同じ会社の、当時住んでいた地域にあった店舗の食品売り場で
店員さんの作業が住むのを、後ろで待っていたら
後ろずさりしてきて、あゆみのベビーカーにつまづき
よろけて、ベビーカーにお尻がはまったような格好になった。

あゆみは、火が付いたようにギャー!と泣き出したので、
私は、お腹がつぶされたんじゃないか、と血の気が引いた。
店員さんは、枠に乗っかっただけで、お腹の上には乗っていないと言うが
あゆみは、そうだとは言えないし
もしも、これで、この子に何かあったら、私、どうしよう
と本当に怖い思いをした。

その後、あゆみは機嫌が直り、その店員さんを許してあげた。
許してあげたのだから、私は水に流したつもりだったのに
きょう、あのようにヒヤッとしたのは、何故なのだろう。
ベビーカーを押していたわけではないのに。

あゆみが、元気に生きていたら、
きょうのようなことがあっても、何も思い出さないのだろうか。
あゆみが、その後亡くなってしまったから、
以前の、危ない出来事が、怖いことのように頭をよぎるのだろうか。
いくら考えても分からない。