きょうから二代目組長だ

2016/04/16

母は生前、毎日忙しそうに暮らしている私を気にかけて
自分が元気なうちにと、町内会の「組長」をやってくれた。
組長とは、たくさんある班の元締めみたいなもので
めったに回ってくる役ではないのだけれど、
もし抽選で私が当たったら、そりゃ大変だろうと
自らかって出てくれていたのだ。認知症になるちょっと前に。

なのに!
母が亡くなるなり、私に同じ役が回ってきた。
うちは二世帯住宅だから、一人やったら、もういいじゃん
と防御したものの
苗字が違うじゃん 一階と二階は別世帯じゃん とか何とか言われ
もう、しぶしぶ…

きょうから町会費を集める
明日は早朝から廃品回収をする
どんだけ仕事があるんだ?!

もー あー うー と、私はうなっていた。
そうして、
毎日読ませてもらっているブログを、きょうも読んだ。

ブログの筆者は、大学生のお子様を、自死で亡くされてまだ日が浅い。
読むほどに、素敵な人。
亡くなった子も、優しくて、とてもいい子。
なぜなのか、その子は、自宅マンションから飛び降りていった…
筆者は、どんなにつらくても、毎日を懸命に生きている。

けれど、マンションの住人の中には
少し離れたところから、その人をじろじろ見て話題にしたり
狭いエレベーターの中で、まじまじと見つめたり
親の悲しみに、塩を塗りつけるようなことをする人がいる…
筆者は、必死に涙をこらえ、家に入ってから大泣きする。

そういう蓄積の中、どうにか踏ん張って生きているその人に
さらなる試練が舞い降りてきた。
マンションの役員だ。
メンバーの中には、ああいう視線をあびせる人たちも含まれているという。
精神的疲労で、おなかを壊したという。

私はブログで読んだことを、ぜんぶ覚えている。
会ったことのない人だけど、ずっと応援している。
役員、なんで当たっちゃったかなあ。
当たるとこれ、逃れようがないんだなあ。
多分この人、きちんとした人だから、さぼらないだろなあ。

私に回ってきた組長なんて
用事が多いだけで、何てことはない。
文句ばっか言ってないで、いさぎよく
二代目組長を襲名しようじゃないか。