いろんなものを手放してしまった
2016/04/15 熊本で大きな地震があって
潰れた家、燃えている家、野宿している人々の姿が、画面に映し出され
本当にお気の毒。
阪神淡路の震災を思い出した。
当時住んでいた大阪の自宅も大きく揺れて
柱がメキメキ音を立てたので
家が折れて崩れ落ちると思った。
私はダイキの上に被いかぶさり、
ダンナはその上にまたがって、
傾いた大きなタンスを両手で押さえていた。
このとき、実家は壊れていて、
そこがいま私が住んでいる場所。
震災で実家が壊れなければ
建て直すこともなく、
私は引っ越して来ることがなかっただろう。
そうしたら、いま、自分はどこで暮らしているのだろう。
大阪の自宅は、震災とは関係なく
売って、引っ越した。
つらくて、住み続けることができなくて。
あの震災があった1月17日の早朝、
とても親しくしていた近所のママ友が、
子どもを抱えて、必死の形相で逃げ込んできた。
ご主人は出張中で、余震が怖くてたまらないと。
私、おにぎりを作って、ずっとここにいたらいいよ、と言ったなあ。
あそこを引っ越してからは、あんなふうに肩寄せ合うような
そういうご近所さんとは、もう出会わなくなった…
ダイキも、
一緒に大きくなっていた幼ななじみから、引き離してしまった。
引っ越しは、家を失うだけじゃない
ということを
改めて、今ごろになって、また思う。