こわもての新入りさん

2019/08/18

デイルームに、初めて見る患者さんが来た。
車いすで、パジャマではなく浴衣のようなガウンを着ているので、前がはだけて中まる見え。

さっと人が通路を開けるのは、
ケガのすごさからか?
ケガの間から見える彫り物のすごさからか?
私は、ケガのすごさから、じっと見てしまった。
そしたら私だけ残ったテーブルのところに、患者さん、車椅子で来て
「この病院 3回目ですねん」て。

えー まだ新しいこの病院に?
カーナビにもまだ表示されていないというのに?

1回目は鼻の骨折。
(いかつい)眼鏡をとって見せてくれた鼻は、低いところが潰れている。
うわっ と言ってしまった。
ケンカで殴られたのだった。

2回目は肋骨の骨折。
折れた骨が肺に刺さって、肺から血がどばどば出たそうな。
それもケンカで殴られたのか聞くと、このときは蹴られたのだ。

そして今回の3回目。
またケンカかと思ったら、
自転車でこけた とのこと。
「白いものが見えてたから、何かと思ってたら、骨やった」って
自転車でそんなことになる??

酔っぱらっていたそうで、
「飲んだら乗るなや」と、
どこかで聞いたことのある台詞をそのまま教えてくれた。

向いの病室だとわかる。
あーあのときの。
「急に患者さんが増えたので、ここを男性の病室にします」
と女性患者の移動をやってたなあ。救急が優先のこの病院らしい。
私たちの手術も、救急が入れば時間が変わることを納得していた。

そのときケンカの救急は想像しなかったが、
病院は、理由に関係なく、大ケガで運ばれてきたら緊急手術の緊急入院となるわけだな。
その人も、3回とも夜中に即 手術してもらったと言ってた。

私、思った。
急いで大手術して、
もし柄がずれたら、あとで揉めないのかな?
縫うときに、できるだけ合わせるのかな?
それとも、絵が変わっても構いません みたいな同意書もあるんかな?