病気で寝たきりになって見えてくること

2019/10/19

知人の闘病体験に聴き入った。

 

突然、病に倒れ、ピクリとも動けない寝たきりになったとき、

生きるために必要なモノは、ごくわずかと分かった。

何もかも失ってしまった自分から、人も離れていき

それでも愛しいと思ってくれる人は、そばに来てくれ、

その人たちを通して、より深い愛情を知った。

本物の幸福とは何か、がわかった。

それは、病気で寝たきりになったからであり、

こんなに幸せなら、もう治らなくてもいい、とさえ思った。

 

という話を聞きながら、私は自分の勘違いに気付いた。

 

以前、ある難病の男性が、病気になってからのほうが幸せだ

と言われたのに対し、私は、

そのように自分に暗示をかけるのかなあ、と聴いていた。

暗示は、かけているうちに効いていき、本当のこととなっていく。

すごい自力だ、と感心したのだ。

 

しかし、そういう思い込みのような話ではないのだ。

私も闘病をし、半年病院を出られなかったが

病気になって幸せと感じたことは、一度もなかった。

 

この違い、何だろう?

治ることしか考えることのできない患者は、

そういった境地に至ることは、ないのだろう。

ただ、こんな私でも、少しでも理解が届きたいので

しっかりと話を聴くこと以外にない。