生きていけるだけですごいのに

2019/11/12

先日、思いがけない出会いがあった。

「こどものグリーフケア」でお話の依頼があり、行った先で

とても気になるお嬢さんが目に入る。

 

「こどものグリーフケア」とは、亡くなった子どもの、

きょうだいのことを、あれこれと話題にする。

そのお嬢さんは、きっと、きょうだい児に違いない。

兄か、姉か、弟か、妹が、おそらく小児がんで亡くなり

闘病中を含め、さまざまな我慢をし、

死別後も、何らかの自責?後悔?葛藤?などを抱え持った

おそらく成人だろうけれど、子どもの傷心をもっている、お嬢さん。

 

そんなお嬢さんを前に、今から話す話は

気分を害するようなことにならないだろうか・・・と揺らぐも

準備してきた内容を変えようもなく、できるだけ視界に入れないで

予定通りの話をさせてもらう。

 

で、話し終わったとき

お嬢さん、こちらに向かって歩いて来られた!

私、固まった。

 

ごめんなさい!咄嗟に謝る。心の中で。

本当は、ほとんど分かっていないんです。

あなたたちの、真の胸中。

もし、わかったような口ぶりに聞こえていたなら

まったくそうではないんです。

 

そして

お嬢さんが言った言葉に、

え~っ!

私、思わず声を上げて歓喜した。

 

そのお嬢さんは、二十歳くらいに見えたけど、

かつて小児がんを克服した小児科医なのだった。

 

視界に光が差した。

闘病を経て、生きていけるだけでも、すごいことなのに

いっぱい勉強までして、医師になって、今度は救う側に立つなんて

すごすぎて、もう光だ。

 

こんな可愛い、こんな美しい、こんな聡明な、こんな、こんな、、、

と感激しまくり

自分がなに言ったか、覚えていない。