なぜ遺族会で落語会だったのか

2020/01/28

遺族は、笑う気になれない、だけでなく

笑ってはいけないような、縛りもあると思う。

自責が強い遺族ほど。

子どもの遺族は、大抵その部類。

 

それでも、暮らしていると、いろんなことがあって、

ふと、笑ったなら、

笑えるんだあ、とちょっと意外な目で見られたり

「笑ってるからもう大丈夫」と、みなされたりもする。

 

あの遺族会の、あの落語会は、

見せても大丈夫な仲間内だから、行われたのかもしれない。

遺族会というところは

何を言っても大丈夫で、黙ったままでも大丈夫。

泣いても、笑っても、泣きながら笑っても、

どんな姿を見せても、互いに大丈夫だから。

 

話したことは、その場限りにすることからも

「あのとき、大笑いしてたよね」なんてことも

きっと言わない人同士。

 

泣いているから、つらいとは限らず

涙も出ないほど、苦しい思いをしている人がいるように

笑えるようになったから、楽になったとは限らず

人は、見える姿だけでは、内面まではわからない

ということを

世間でも理解してもらえたらな。