生きてきた中で一番寒かった夜

2020/02/16

ガソリンがほぼ空の状態で、高速道路を走ってしまった

の続き。

 

サービスエリアのガソリンスタンドにたどり着くまで

どうしよ!どうしたらいい?を何度口走ったことか。

助手席の彼女は、

「とにかく、次のSAまで行きましょう」

と、静かな口調で言ってくれる。

 

これ、すごいことで、

ボロクソ言われても、おかしくないのに、

どこからくる冷静さなのだろう。

スキーしか一緒にしたことなかったけれど

すごいなあ、と後から後から、思った。

そのときは、一切追い込まれないことに、

申し訳ない気持ちで一杯だった。

 

「眠ってしまった私が悪かったんです」とまで言われ

滅相もないことです。ほんとに、ほんと。

 

そして、SAのガソリンスタンドの、

営業終了の文字が目に入ったとき

私は絶望してしまうが、彼女は、

「6時に開きますね。じゃあ寝ましょか」の一言。

 

え、ここで・・・

そう、ここしか居場所はない。

エンジンを切って、

「こんなことになってしまって、本当にすみません」

と何度も謝っているうちに、

彼女の寝息が聞こえてきた。

 

眠れるんやー

これまた、すごい。

私、寒くて寒くて眠れなかった・・・

ガタガタ震えが止まらず、生きてきた中で一番寒かった。

 

知らないにもほどがある、と叱られたのは

家に帰ってきてから、家族から。