ただ酔っぱらっていたわけじゃなく
2020/06/10子どもが亡くなると、つらく苦しい毎日ではあっても
別に、飲んだくれたりは、しませんよ
って声が聞こえてきそうだが、
1つ、思い出した!
自宅を売り飛ばし、ダンナの実家に転がり込んだ頃のこと。
大阪に十三というところがある。じゅうそう。
まあ、ディープな街。
実家は、この駅の近く(一応、歓楽街ではない側)で
4階建てのマンション。十三で最初に建ったマンション。
専業主婦だった姑が、突然、未亡人になり、
子ども育てるため、借金いっぱいして、庭に建てたのだ。
私が行った頃には、十三で一番古くなっていて、
空き室だらけで、この2階に住み着いた。
昼間もつらいが、夜中になると、もう無性に淋しく、
やりきれなくて、飲んだくれる私。
深夜まで、泣いたり、ぶつぶつぶつぶつ言っていて
そろそろ、私の「しごと」が始まる。
隣の住人は、近所のバーで働くシングルマザー。
小さい子どもがいるので、店の近くに住んでいた。
店が終わって、帰るとき、どうしても
酔っぱらいが付いて来てしまう。しつこい。
追い払っても、家の玄関まで付いて来て
「ちょっと中で話そう」みたいなことを言い出したら
私、バン!とドアを開けて、出て行く。
「何時だと思ってますん!」
(って、私のほうこそ早く寝なさい、って話ですが)
酔っ払いのオヤジ、血相変えて、退散する。
「いつも、本当にありがとうございます」
と、お隣さんから、すごく感謝されていた。
「迷惑かけてしまって」
とも言われるが、ぜんぜん迷惑じゃなかった。
夜中に、家で飲んだくれている私でも、こうして
人の役に立てている、という自己肯定。
がんばって!と思っていた。
一人で子どもを育てていくのは、大変なことだけど
私、何でも協力するから!と。
だてに飲んだくれていたわけでなく
飲んでいない日も、同様に
お隣さんが、すんなりと子どもの元に帰宅できるか、
確認するまで、起きていたもん。