お母さんに生きていてもらうために

2020/07/05

私の闘病仲間だった女性も、のちに亡くなった。

子どもが2人いて

大きい子のほうは、以前から不登校になっていた。

 

不登校になるには、理由がはっきりしない場合もあり

(むしろ、現在はそのほうが多いらしいが)

当時、私自身

だったら、行けばいいのに

と思っていた。お母さん大変だし。

 

母親は、朝、車で学校まで送っていた。

そのまま校門を入っていける日もあるが

行けない日は、乗せて帰ってくる。

これが、体力的に負担になっているようだった。

 

一人で行くようにしてはどうか、と

言ってみようと思い、彼に会ったとき

結局、何にも言えなかった。

 

毎朝、息子を学校に送る

この目標が、母親の体力を引き伸ばしていることは

明らかだった。

 

こういう日常が、ずっと続いてほしい

ずっと、生きて、そばにいてほしい

 

その思いは、心の底からのものであり

彼の行動は

母を、奪われてしまわないために、しがみついていたい

最後の砦(とりで)のようにも見えた。