闘病する子どもたちを見て気づく

2020/07/06

自分の闘病中のことで、よく思い出すことがある。

ああいうとき、どんな言葉がほしかっただろう。

 

命を助けてくださった主治医の先生のことは

とても感謝し、尊敬しているが、1つだけ、

違和感を覚えた言葉があった。

 

私が直接言われたのではなく

闘病仲間が、先生のその一言で、ウツから抜け出た。

先が見えない闘病で、ウツのようになることは

私も同様の状況だったので

どんな助言が得られたのか、教えてもらったところ

すぐには意味がつかめなかった。

 

〇〇さん、〇階の小児病棟を見に行ってごらん。

子どもも、子どものがんと闘っている。

治らないで、亡くなっていく子もいる。

あなたは、

大人になるまで生きられた。

結婚もできた。

子どもを産むこともできた。

貴女の人生が、どれほど幸せなものであったか、わかるよ。

 

先生に言われた通りしてみて

まったく、そうだと気づいた

と彼女は言った。

 

私は、目に見えて変化した彼女を前に

ぜんぜん同じようになれない自分の

何が、どう違うのか、しばらく考えた。

 

先生が患者に心を砕いてくださったことは、素晴らしい。

その患者が気づきを得たことも、望ましい。

でも、なんだろ、、、

そのために小児病棟を見に行くのは

ちがう、と思えた。