山のいただきをすーっと越えた日

2021/02/01

はじめての命日(一周忌)は

向かっていくときが苦しい。

みなさんそうおっしゃるが

私も、心臓が苦しいくらいに苦しかった。

 

昨年の今ごろは、こうだった。

可愛かった。幸せだった。

あのとき、こうしていたら

あのとき、別の行動をとっていたら、

そのあとの全部が違っていたかも、と

実際にあったことと、実際にはなかったことが

次から次からへ、襲うように持ち上がって、、、

 

あと1週間というくらいになると

今からこんなに苦しかったら

当日は気がへんになるんじゃないか

と思ったが、

儀式的なことは、当日前の日曜日に行い

その日は親族も集まるので、動かされ続け

本当の当日というのは

私は日が暮れるまで一人で過ごしたが

言うなれば、無感覚に近い日だった。

 

そのことが、少し不思議だった。

当日に至るまでに使い果たしたからだろうか。

気力、体力、ありったけの怖さ。

 

そうして長い一日の終わりに、思った。

きょうまで怯えて過ごしたのは、私自身。

でも、きょうは、あゆみの日。

あゆみは、私を追い込んだりしないんだ・・・

そう、するわけがない。

 

いかにも都合のいい取りようだけれど

本当に、すーーーっと

高い高いと思っていた山のいただきを

越えていけた。二人で。