すっかり変わってから更に変わる

2021/02/27

命日が過ぎたら、また普通に日常。

これって、どこかあの日と似ている。

 

あゆみが亡くなり、病院の建物を出たとき

空は雲ひとつない晴天で、

病院の前を車がビュンビュン走っていた。

ただそれだけで、私のつらさは増した。

 

何も変わらない。

何一つ変わらない中で、あゆみだけが

静かに生を閉じた。

世間は明る過ぎる。元気過ぎるじゃないか!

あゆみが亡くなったというのに。

 

何一つ変わらない、というのは、違うな。

すっかり変わった私がいる。

景色の見えかた

ものの感じかた。

 

こんなに変わってしまった私を

どう扱ったらいいのか

扱い切れるのか?

押しつぶされそうな悲しみに加え

抱えきれない不安をたずさえて

あゆみを連れて病院から帰ったのも

2月26日。

 

2月27日を、同じ翌日とは思えない

日常として過すようになったのは

何年くらい経ってからだろう。

これって

すっかり変わった私が、さらに変った

ということだ。

 

でも、すっかり戻るということは

絶対にない。この先も一生。

 

もう変えようも、変わりようもなく、

これが私。本当の私

と思って付き合っていいと思う。