悲しみは比べるものではないのに

2021/06/21

どこの遺族会に行っても、

「子どもを亡くしました」

と話したら、手厚い対応が得られるように思う。

 

けれど

私が、ある遺族会を紹介し、行ってきた女性が

消沈して帰ってきたことがあった。

その人は、70代のお母さんを亡くした。

 

彼女は、30代独身、一人娘、父は早くに他界。

入院中に出会った。

お母さん、毎日来られていた。

遠いところから。

よくビワを持って。

 

ビワは彼女の好物。

私はめったに買わない高級品。

「明日は何がいい?」

と尋ねてお母さんは帰られる。

 

私は、母とかみ合わないことが多かったので

(私の母は、ちょっと変わっていて)

羨ましかった。

こんなに通じ合う母娘。

せめて私は、あゆみと、そうなりたかった・・・

 

で、互いに退院し

彼女から泣きながら電話がかかってきた。

お母さん、急死された。

 

私は、自分が遺族会をしているので

こういうところに行ってみるのも、いいかも

と、知人が運営する会を紹介した。

 

彼女は、泣きながら行って、

着いたら、大泣きしたらしい。

そしたら、ほかの参加者から言われた言葉が

「親はね、順番だから・・」

 

その人は、思いやってのことだろう。

でも、本人は、ショックをうける。

ここでも言われるんだ・・・と。

さらに、お子さんを亡くされた方も来られていて

「高齢の親を亡くしました」と言って泣くのは

おかしいかも、と思ったという。

 

そんなこと、ないのに。

悲しみは、比べるものではないのに。

 

私(たち)は、よく「逆縁はつらいね」

と人から言われるが

私はこの言葉、あんまりピンとこない。

 

親より先だから、つらい

というより、

あゆみが亡くなったことが、つらい。

 

順番にこだわっているのでなく

この子が、いなくなったことが

ただ、たまらなくつらい。

 

大好きな、最愛のお母さんが

いなくなったことが

たまらなくつらかったのになあ。