選手と患者の少し似ているところ

2021/08/14

昨日のつづき。

骨に転移したり、全身に広がったがんが、

治療で消えた患者さんは、実際いて

末期症状からでも治る人と、治らず亡くなる人は

何が違うのだろう・・・

どこで別れるのだろう・・・

と、やはり思う。

 

私は、薬が合うか合わないかの、個別性ではないか

と感じているのだけれど

治った人は、気力だと言い切っていたりする。

お医者さんまで「患者さんご本人です」

みたいな言い方を、よくされている。

そこには医師の謙虚さも感じられる。

 

医師から患者次第と結論付けられたら、

ますますご本人は、自信もって

「気力」と言い切れるし、説得力を増す。

 

少しだけオリンピックにも似ている気がする。

表彰台に乗った選手は、間違いなく頑張った人。

でも、乗れなかった選手たちも、ものすごく頑張ったし

オリンピックに出場できなかった選手も、

何年間も、全力で、ものすごく頑張った人。

 

そして、表彰台に乗った選手のコメントが、世間の耳に入り

その手前まで頑張った選手のコメントは、入ってきにくく

でも競技は見れたので、伝わるものはあるが

出場できなかった選手は、姿を見ることもない。

 

言葉も、姿も、伝わることのなかった患者さんと

そのご遺族のほうが、私は気になるようになり

(病気に)勝っていっぱい発信している元患者さんには

あんまり関心が向かなくなってきた。

 

でも・・・

勝った患者さんの発信は、必要なものなのだ

と気づいた。

いま闘っている患者さんに、希望を与えるから。

 

重病の患者さんが、自分を、可能性を、

信じることは、とても大事。