最後になると思わなかった一言
2021/10/19旦那さんを亡くした知人に会って
今日も旦那さんの話になった。
最後に交わした言葉、何だったと思う?
と聞かれた。
え?最期には立ち会えなったはずなんだけど、
と思って考えていると
彼女が着ていた服のことだった。
その服は、何年か前の誕生日に
旦那さんがプレゼントしてくれた服。
出かけるとき、「これ着て行くね」
と妻が言い
「よく似合ってる、やっぱりいいよ」
と言って夫は見送った。
これが旦那さんの最後の言葉。
「あの日、あの服を着て良かった、と
つくづく思う」と彼女は言う。
予期せぬ別れだったので
「これまでありがとう」のようなことが言えず
ずっと心残りだったのが
ふと見方を変えたとき
最後にふさわしい会話だった
と思えるようになったそうだ。
今日が最後の日
なんて誰も思って暮らさない。
でも、思いがけず、避けようもなく
そうなることはあるわけで
大事なのは、
日常のなかの会話のあり方なのかな
ちょっとした事を、
言葉にして伝えることなのかな、
と思った。
そういう意味では
別れ際や、一日の終わりを
嫌な言葉にしてしまうことは
いけないと思った。