患者を見かけない皮膚科でのこと

2021/10/31

近所の皮膚科に、初めて行った。

夕方の混み合う時間帯に、待合室に人がゼロって

ラッキーと思った。

 

すぐ呼ばれ、先生に

「ダニだと思うんですけど」と言ったら、

「なぜダニだと言えるんですか」と言われた。

 

わたし何も言えない。かたまる。

そして思った。

風邪だと思うんですけど、と言ったら

風邪かどうかは私が診断します、と言われた知人の話がよぎり

うわ、やばいタイプの医者かも、と予感する。

 

固まっているわたしに、先生は言う。

「ダニだと言う前に、刺されたところ見せて」

あ、はい。

無残な足を見せると、即座に

「ノミです」と言われた。

 

え?と思っているうちに

「庭に野良猫がいます」と断言される。

 

「あの、いないと思うんですけどー」

「います」

「・・・・・・・・・」

「薬出しておきます。あと庭では長ズボンと、分厚い靴下を履くように」

 

薬はほしい。でも困ってしまう。

ネコはいないから。

 

ネットの画像では、ダニの傷と見分けがつかないので

「どうしてノミと分かったんですか?」

と勇気を出して尋ねてみた。そしたら

「特徴があるから分かるんです」と返ってきた。

どういう特徴か、までは言ってもらえない・・・

 

そもそも、ネコがいないから

「そのネコは、どうすればいいんでしょう」

と、わたし言ってしまう。そしたら

「知らないですよ。ネコを捕まえるのは私の仕事ではないです」

これが先生のさいごの言葉。

 

ええ確かに。

でも突き放された気分。

わたしって、普段、あちこちのお医者さんに、

けっこう見当違いなこと、口走ってるんだろうな、

でも、ほとんどのお医者さんは、人が良く

大目に見てくれてるのかもしれない

なんて思った・・・

 

塗り薬と飲み薬をもらって、とぼとぼ帰り

姿なきネコのことを考え続ける。

そして繋がった!

ネコは、いる。(いた)

見たことがある。

庭というの、裏庭のほうだ。

父が作った物置きに

出入りしているの、見たことある!

 

で、わたしは先日、遺品整理のため入って

やられた、というわけ。

ネコもネコだが

あの物置き、ほんと負の遺産。