神様が1度だけ願いを叶えてくれるなら

2021/12/05

昨日の読書会では、絵本も少し紹介したが

私は、詩や短文を扱うことが好きで

星野富弘さんの画集を持って行った。

 

星野さんは、体育教師として中学校に赴任して間もなく

部活の指導中に、鉄棒から落下し、生涯寝たきりとなられた。

以後、筆を口にくわえて絵を描くようになり

花の絵に詩を添えた画集が、何冊も出ている。

 

私は、次の作品を目にしたとき

涙が出ていた。

星野さんと私は、境遇は違うけれど

私のたった1つの願いと、重なったのだ。

 

神様が たった1度だけ 

この腕を動かして下さるとしたら

 

(神様が たった1度だけ

私の願いを叶えて下さるとしたら)

 

母の肩をたたかせてもらおう

 

と、星野さんは願う。

寝たきりになって、ずっとお母さんのお世話になって

もしも腕が動いたら

たった1回のチャンスで、お母さんの肩を叩く

って、素晴らしいし、素朴。

 

私が考えていることは

大それたことだけれど、でも素朴。

わが子に一目会いたい。

 

2人とも、願うことは

素朴で、ごく普通の、当たり前のことのようだけれど

星野さんの願いも、私の願いも

どんなに願っても、どちらもかなわない事。

 

私は、ずっと、この詩は、ここまででもいい

と思っていたが、まだ続きがある。

 

風に揺れる ぺんぺんぐさの実を見ていたら

そんな日が

本当に来るような気がした

 

「こないよ」

投げやりな、やけっぱちな感情が

そうさせていたような気がする。

 

今になって、改めてじっくりと読んでみた。

「そんな日が本当に来るような気」にさせる

ぺんぺん草の実って、どんな実なんだろう・・・

 

調べてみて、わかった。

ぺんぺん草の実って

ハートに見える。