わらしべ長者のような娘

2021/12/06

近所に、ちょっと気に入らない娘がいる。

おばちゃんは、私が子どものときから親しく

そこの娘が生まれたときも、病院まで見に行った。

その娘、40才をとうに越してるのに

まったく家事をしないし、おばちゃんに偉そう。

 

私は、ふと考える。

私が気に入らないのは、もしかして、娘より、

娘をねこ可愛がりする、おばちゃんに対してだろうか・・・

 

そりゃ、そうだろう。

四十を越えようが、娘は可愛いだろう。

それにしても甘やかしすぎ!

 

で、きょうも落ち葉を掃いていたら

おばちゃんが寄ってきて、また娘の話。

いい加減に聴いていたら

えーーー、そうやったん!?

思わず、ほうきを持つ手が止まった。

 

私が子どものころ

おばちゃん一家は、小さい借家に住んでいたが

今は、その隣の一軒家に住んでいて

そのいきさつが、きょう語られた。

 

一軒家には、子どものいない老夫婦が住んでいた。

その娘は、隣の老夫婦にも可愛がられていて

小学6年生の修学旅行で、百円くらいのお茶漬け海苔を、

老夫婦へのお土産に買ってきた、そのことをきっかけに

「この家、あんたにあげる」と言われたらしい。

 

へーーー そうやったん!

お茶漬けと、家が交換されるって

まるで、わらしべ長者の速攻版。

 

「だから娘に住ませてもらってるようなものなのよ」

と、おばちゃん言うけれど、

だからって、年老いた親をあごで使うのは

あかんて。

 

でも、おばちゃんが、まるで苦にしていないのだから

どうしようもないなあ。

毎日親ばかができるほど

幸せなことはない。