主治医を失った患者さんのつらさ

2022/02/02

先日、医師が遺族に射殺されてしまった事件があったが

その亡くなった医師の患者さんが

先生の死にショックを受け、どんな先生だったか

教えてくれるメールを読ませていただいた。

 

今までたくさんの医師と出会ってきた中で、

飛び抜けて素晴らしい先生で信頼しています。

まだ過去形で言えません。

ニュースが流れるたびに涙が溢れています。

最近毎日のように起こる発作

それでも、大丈夫、生きていけると思えたのは、

鈴木先生と出会えたからです。

「我慢しなくていい。

痛いも辛いも全部感じてることなんだから。

それを少しでも軽くしてあげられたら、

僕にとってこんなにうれしいことはない。

辛いって言えない、分かってもらえない、言っても仕方ない、

そんな経験今までたくさんしてきたと思う。

でも、辛いものはつらいんだよ。だから、

僕には些細なことも教えてほしい。大丈夫。

一緒にどうしたらいいか考えていこう。

まだまだ手はたくさんあるよ!」

初めてお会いした時にそう言ってくださり、

これからの生活に希望が見えました。

鈴木先生が、心の支えで生活の支えで身体の支え。

そんな私のような患者とその家族はきっとたくさんいます。

 

この患者さんは、難病のため闘病が長く、将来が見通せない。

だから、これまで何人もの医師を渡り歩いてきて

鈴木先生が群を抜いて素晴らしい方であることが

よくわかる。さらに文面はこう続く。

 

悲しくて、怒りを覚えたことがあります。

スマホを開いたら、ありもしない想像のコメントが

広がっていて、居ても立っても居られなくなりました。

医療ミスがあったんじゃないか?

医師側にも問題があるのでは?と。

こういう勝手な推測が飛び交って、尊厳を傷つけることが

無くなってほしいです。

事件の真相が明らかとなって、正しく情報が

社会に伝えられますようにと願うばかりです。
(一部省略)

そのような憶測がネット上に広がっていたこと

知らなかったが、ご遺族だけでなく患者さんも

とても辛いだろう。

事件が起きたら、必ずのように、

故人を傷付け、遺族を悲しませる書き込みが成される。

悪意でする人物は、もちろん怖いが

正義のつもりでしている人物は、さらに怖い。