おもちゃの1つも絵の1枚もないけれど

2022/05/15

きょうの天気がとても気になっていた。

晴れたら、きっと暑くなる。

そしたら着られない・・・

 

朝起きたら、ちょっと肌寒く

着れた!

紺色のワンピース。

 

きょうは小さないのちの「つどい」。

で、次回案内をする際に

このワンピースを着ていたかった。

 

次回は、子どもの「思い出の物」を持ち寄り

その「もの」の話から、当然子どもの話になるし

何なら、子どもの自慢話までしちゃお

という計画。

 

でも、、、問題は私だ。

うちには、あゆみの物って

ほとんどない。

書いた絵の1枚もないし

「ほしい」と言うから買ったおもちゃもない。

 

そう思っていたら、あった!

あのワンピース!

あゆみの物ではないけれど

あゆみの思い出の物。

 

ベビーカーに乗せて、バーゲンに行った。

当時住んでいた近所の、京阪百貨店だ。

私は、なかなか服が決まらない。

あゆみにしたら、なんで何回も箱の中に入る?

しかもカーテンを閉めてしまう。

一体、中で何してるんだ??

 

退屈した。

そこを我慢してくれた。

ぐずりながらも

ひたすら耐えてくれた。

 

私は、ごまかし、ごまかし、

一向に試着をやめない。

今は服!

 

とうとう泣き出してしまう。

でも大泣きはしないでくれている。

もう限界ぃ~~~

というところで

「よし、これにしよう」と決めた。

 

そのあと、しばらくして

あゆみは亡くなった・・・

 

亡くなってから、このワンピース

見ると腹が立った。

あんな思いをさせて、買うんじゃなかった!

ばかか、私は。

 

こんなもの!

と思って、しまいこんで、

昨年、自分の物をどんどん捨て始めた時

20年ぶりに見つけた。

 

20年ぶりに手にすると

次々と浮かび上がる光景。

ベビーカーの上で、体をくねらせて、

顔をしかめて

ううーううー言って

でも泣かない。

 

我慢づよい、強い子、あゆみ。

 

捨てなくてよかった。

きょう、皆さんに見てもらえて良かった。

もう一度、あの子の粘り強さを

瞼に浮かべることができて、良かった。